


出版社:ミシマ社
発行日:2021年10月25日
四六版サイズ / 184頁
【店主コメント】
全人類読んで欲しい、素晴らしい本。
「誰かのため」とはどういうことなのか?改めて考えるきっかけに。
日々、言語化したいと思っていた「贈与」「利他」「利己」の考え方を明確に解決してくれる。
生きる指針にしたい。
「利他」は現実より先の未来で、受け取り側が感じる偶然の出来事である。主体者が「利他的な行動をしよう」というのはそもそも利他の本質と違うということ。
利他はコントロールできない。
利他は受け取り側が判断する。
今を楽しく一生懸命生きることが、いつか思いがけず利他を生むかもしれない。
【版元コメント】
It’s automatic!?
誰かのためになる瞬間は、いつも偶然に、未来からやってくる。
東京工業大学で「利他プロジェクト」を立ち上げ、『利他とは何か』『料理と利他』などで刺激的な議論を展開する筆者、待望の単著!
今、「他者と共にあること」を問うすべての人へ。
自己責任論も、「共感」一辺倒も、さようなら。
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偽善、負債、支配、利己性……。利他的になることは、そう簡単ではありません。
しかし、自己責任論が蔓延し、人間を生産性によって価値づける社会を打破する契機が、「利他」には含まれていることも確かです。——「はじめに」より
本書は、「利他」の困難と可能性を考える。手がかりとなるのは、居心地の悪いケアの場面、古典落語の不可解な筋書き、「証明できない」数学者の直観、「自然に沿う」職人仕事の境地、九鬼周造が追求した「私は私ではなかったかもしれない」という偶然性の哲学……など。
「利他の主体はどこまでも、受け手の側にあるということです。この意味において、私たちは利他的なことを行うことができません」「利他的になるためは、器のような存在になり、与格的主体を取り戻すことが必要」 ——本文より
意思や利害計算や合理性の「そと」で、
私を動かし、喜びを循環させ、人と人とをつなぐものとは?